責任感の強い良き隣人としての企業たれ

現最高経営責任者アマン・アディニュー氏は、世界中の消費者に最高級のエチオピア・スペシャルティコーヒーを届ける事を目指し、METAD社を設立しました。
METAD社の創立は最近ですが、コーヒーを栽培してきた歴史は古く、3代に渡り、コーヒー栽培を行ってきました。

エチオピアのコーヒーは美味しいと有名なので、おそらく施設が整っていて輸送手段もしっかりしていて、環境に恵まれているんだろうと思う方も多くいると思います。ですが、実態はまるで逆です。

良いコーヒーを守り育むために生まれたのがスペシャルティーコーヒーの理念。
スペシャルティコーヒーの定義といえば、「単一農園であり、トレーサビリティが管理されていること」。
しかしエチオピアの実態はたくさんの農協の集合体で、その精製ステーションに集積するチェリーを収穫する小規模農家は2万人以上。集められたチェリーはざっくりエリア毎に混ぜられ、たったの「20円/kg」ぐらいで買い取られます。

この現状に心を痛めたアマン氏は、当時まだ無名だったグジのハンベラ(アラカ村)に入り、ジンマ(Jimma)のコーヒー研究所から厳選した品種の種を取り寄せ、近隣の小規模農家に無償で苗を配って契約栽培を始めました。ALAKAの原野を指定の品種に絞り込んだ、エチオピア初のシングルオリジン化と言う壮大なプロジェクトが始まったのです。

まずは土壌・雨量・標高・気温・水捌け・風向きを熟知し、最も適した品種を種から育苗し、手作業で植える所からスタートしました。またチェリーの収穫では、ただ赤い実を摘むことを従業員に強いるのではなく、最終カップ品質に至るまでの作業の意味と大切さを指導しています。
チェリーは完熟した色合いでも付け根の部分が固く白や緑が残っていたり、色目は良くても触って見ると熟度が低く、まだ堅いチェリーだったり熟練の目利きと技術が必要な収穫の難しい品種です。これらを手作業でピックして欠点のないチェリーだけを残します。収穫したチェリーから商品になるのは実にたったの10%です。
だからこそMETADの目指す高品質コーヒーを作る意味や理念をしっかりと浸透させ、地域の暮らしや未来への末永い希望を与え続けなければ、コーヒー自体の品質の維持と向上は守ることが出来ません。収穫後の乾燥や精製まで一緒に取り組むチームとしてアラカの地域の人々は一丸となって取り組んでいきました。

そこから10年かけ、METAD社はコーヒーの苗から徹底管理された、エチオピアでは不可能とされていた徹底的なトレーサビリティだけでなく、地元の農家に敬意を持って協力し合い、偉大なるエチオピアの大自然と共に、本当の意味でのサスティナビリティを実現しました。

今では、アメリカのIntelligentsia Coffeeや、BLUE BOTTLE COFFEE、デンマークのTHE COFFEE COLLECTIVEなど世界の名店が扱っていて、知る人ぞ知るエチオピアを代表するコーヒー農園です。
さらにアメリカのGood Food Awards 2018という権威あるフード賞(農産物品評会)のコーヒー部門で、15の受賞社の内、6社にMETADのシングルオリジンがエントリーしたほど、 METAD社のコーヒー豆の品質は高く、世界中のロースターから信頼されています。

METAD社の企業使命は、“エチオピアの市民やコーヒー農家の社会的利益となるプログラムを提供する事”。高品質なサスティナビリティコーヒーを生産すると共に、地域への還元を第一に考え持続的な取り組みに力を入れています。

METADは今後も新たな品種や気候変動に対応したエリアの開発、気温上昇に合わせて標高の高いエリアを開墾し植樹を続けるなど、たゆまぬ努力と研究で私たちに素晴らしいコーヒーを届け続けてくれると思います。

郷音は今後も彼らの努力を見届け、METADの豆を購入し続けることが最大の支援であり応援になると願っています。

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